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ソースカツ丼発祥の地~一ノ関

鉄道旅行の楽しみのひとつに、駅前の食堂の味がある。
近年は何処に行っても、駅前の風景は似たり寄ったりで、その土地の個性が薄れつつあったが、まだまだ昭和の色濃く残る食堂が残っている所もある。
そのひとつが、一ノ関駅前の「いわぶち屋」で、ここは何と、

ソースカツ丼の発祥地
(諸説あり)

と言われているのである。

どうだ、びっくりしたろ?ハハ〜ン?と言いたくもなる。
ソースカツ丼と言えば群馬県だと思ったら、発祥地が遠く離れた岩手県なんだもの。
もっとも、ソースカツ丼とはいっても、「ソースカツ丼」ではあるけれど。

一ノ関駅前
【新幹線停車駅とは思えぬローカルムード】

かつて、いわぶち屋は食堂だけではなく旅館も経営していたのだが、どうやら最近は休業だか廃業だかしてしまったらしく、検索しても旅館の情報は出てこない。

僕は以前、ここの旅館に泊まったことがあり、部屋は古びていて風呂も順番で入るひと昔前の商人宿風でちょっと面倒なところもあったが、一泊二食付きで五千円くらいと安く、駅から直ぐと便利な旅館だった。
そして、特に印象に残っているのが食事で、温泉旅館みたいなハッタリの効いた食事ではないが、ミックスフライに何品か付いた定食で、量も多くて何よりとても美味かった。
だから、その後よくこの旅館のことを思い出して、また泊まりたいなと思っていたが、上記のように今は食堂だけの営業になってしまったようだ。

いわぶち屋
【駅前すぐのいわぶち屋】

以前、ここに泊まったのは、12連勝中のヤクルトスワローズが13連勝をかけて巨人と戦ったが、先発川崎憲次郎の好投も虚しく、勝利直前の9回裏に

長嶋一茂がエラー連発を

や・ら・か・し・て

(滝川クリステルのお・も・て・な・し風に)

逆転サヨナラ負けを食らった1991年(平成3年)6月26日だった。

その試合をこの旅館のテレビで見ていて、一茂のアホな守備を見てひっくり返っていたのだから間違いない。

しかし、あの男のやらかしのおかげで(せいで)、20年以上昔の日付を調べられるんだから、たまには役に立つこともあるんだなと感謝の念が沸き起こってきたが、やっぱり当時のことを思い出すと釈然としないので、今後もしつこく思い出してやろう。
ファールボールを一茂とお見合いして捕れなかった古田が「自分のせいです」と言わなきゃなんなかったのは、一茂の野郎のせいだもんなあ。
まあ、一茂がこのブログを見るこたあないから、しっかりディスっておかないといけない。

そういうわけで、あの味が忘れられず、仙台に所用があるついでに時間を作って、一ノ関を再訪してみることにした。
一ノ関に到着したのは2015年7月25日の朝早い時間だったので、とりあえず平泉観光をしてから寄ると、既に2時近くになっていたせいか、先客は誰も居らず貸切状態だった。

早速、ソースカツ丼を注文して、改めてメニューを見ると、ミックスフライ的なものは今は無いようで、メニューは少なくなってしまったようだ。

ソース鶏カツ丼セット
【名物ソースカツ丼。なめこ汁のセットで千円】

しかし、店の中は記憶と同じで懐かしさが込み上げてくる。

店内2
【店内には岩手出身の銀次選手のユニが】

旅館側から泊り客が夕食を食べに来るのは、厨房脇の暖簾のとこだったなとか、テレビの位置も同じだったなとか思い出してくる。

店内
【旅館の泊り客は左の暖簾から出入りしていた】

ただ、昼時を外したとはいえ、客は僕以外には後からひとり来ただけで、夜にまた来てみたら今度は僕以外に誰もいなかったのが寂れた雰囲気を醸し出している。

赤魚粕漬焼き定食
【夜食べた赤魚粕漬定食】

僕の記憶の中のいわぶち屋は非常に繁盛していて賑やかで活気のある店だった。
あの頃はバブルの終焉の時代だったが、まだまだ景気の落ち込みは感じられない時期で、慢性的な不況が続く今とは時代が違うから仕方ないのだろうと思う。
店のご主人も代替わりしたようで、当時のご主人の息子さんと思われる人が切り盛りしていた。

今の時代、店を維持していくのも大変だけど、なんとか頑張って営業を続けて伝統の味を今後も続けてくれれば嬉しい。
また、機会を設けてソースカツ丼食べに行ければと思いながら、今宵の宿の蔵ホテル一ノ関へとフラフラと戻って行くのであった。

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