城跡からの風景〜角館
さだまさしの歌に「案山子」というヒット曲がある。
「案山子」は都会に出た息子を心配する故郷の父親の心情を歌い上げた名曲として人気が高い。
それはやはり、歌に出てくる故郷の風景が日本人の琴線に触れるからだろう。
城跡だとか、細い川だとか、造り酒屋だとか、煙を吐く列車だとか、田圃だとか。
だから、この歌を聴くといつも鄙びた小さな町の情景が脳裏に浮かんできて、舞台の町を角館とか米沢あたりの東北の小さな町なのではと勝手に想像していた。
ところが、検索して調べてみると、島根県の津和野だということが判明する。
なるほど、津和野だったらSLも走っているし雰囲気はぴったり合う。
日本海にも近いから、冬は雪が降ってもおかしくないし、町の規模もちょうどいい。
うんうん、そうだね、津和野いいね〜って、
違う!
さだまさしが何と言おうが、作者だろうが何だろうが、僕の中ではね、角館とか米沢とかあの辺の町を適当にブレンドして、頭の中で東北の小さな町を作り上げちゃったのよ。
それを今さら、津和野お〜?え〜っ!?
聞いてないよお〜!
あれ、僕の中ではね、東北から東京の大学に進学した息子に対する父親の歌ってしっかり出来上がっちゃってますから。
それが、津和野から広島に出たって歌だって?でも、津和野と広島って、
近いじゃん!
津和野と広島の距離で、アンタ、何を大げさに?ねえ〜?
というわけで、以上のデータをあらゆる角度から精査し、動機と背後関係、経緯等を考慮した結果、さだまさしの舞台設定は却下が妥当との結論に達し、「案山子」の舞台は角館を軸に東北の各小都市を適当にブレンドした架空の町という設定で話を進める。決定。
角館はみちのくの小京都と言われ、武家屋敷が今でも多く残っているので、風情のある観光地としてとても人気が高い。それはもう、老いも若きも男も女も酒と泪と男と女も、挙げ句の果てには中国人だっている。
しかし、武家屋敷が並ぶメインの通りにはたくさんの観光客がいるのに、角館城の城跡はほぼ無人。
城跡から見下ろす町並みの景色だって、なかなかのもんなのに、こちらは全く人気がない。
武家屋敷から5分ほど歩いたところに古城山公園入口という見逃しそうな小さな看板がある。城跡はそこから登って行くのだが、そこに「七色稲荷神社」という無人の神社があるので、そこで挨拶代わりに手を合わせてから登って行こうと神社でウロウロしていると地元の高校生がスタスタと追い越して登って行く。
【登り道すぐにある七色稲荷神社】
登り道に戻ると、高校生はずっと先に行ったらしく姿は見えない。
そのまま、登って行くと道は枯葉で埋まりカサカサと音を立てる。
道を登るにつれ、樹々の間から町並みがチラチラと見えてくる。
そのまま、どんどん登って行くと、町は遥か下方に小さくなっていく。
二、三度カーブを曲がって山頂に辿り着くと、町並みとその向こうの山々の裾に霧がかかっている幻想的な風景が広がっていた。
【角館城城跡からの眺望】
【動画】
僕を追い抜いて行った高校生の姿は見えず、昼間っから幽霊でも見たのかとゾッとしていたら、登って来た道とは別に細い登山道を後で見つけたので、多分、そこから下りて行ったのだろう。人騒がせなヤツめ。
久々に訪れた角館城城跡の山頂から町を見下ろせば懐かしい風景が広がる。
頭の中では「案山子」の歌が流れてきて、風景に彩りが与えられる。
うん、確かに造り酒屋は見当たらない、煙を吐く列車も見えない。
しかし、細い川(細くもないな)や田圃は見える。何よりここは城跡だ。
半分以上一致するから何の問題も無い。
うんうんと胸を撫で下ろして、誰もいない山頂でバシャバシャ写真を撮っていると、五十絡みの一人旅のおじさんがやって来て少し話をする。どうやら、歴史好きの人であちこち見て歩いているらしい。
おじさんは山頂の下にある四阿で写真を撮って山頂から元来た道を下りていった。再び一人になった僕は四阿まで下りて徘徊した後に細い山道を見つけたので、そこから下りて行くことにした。
【帰りの山道】
山道は所々丸太で補強してあったが、下手に足を滑らすととんでもない事態になるので、恐る恐る下りて行く。
【丸太が無いと滑りそう】
すると、登る前にお参りして来たお稲荷さんの脇を通って、元来た道に無事合流する。
城跡を後にして、再び武家屋敷の紅葉をゆっくり見ながら駅まで戻ると、昼食時を大幅に回っていたせいで空腹に襲われクラクラする。
とりあえず、新幹線の時間を確認すると余裕があるので食堂を探すことにするが、角館の名物が何だかよくわからなかったので、駅前にあったやまやという旅館兼食堂に入ってカツ丼を食べて腹を満たしてから、秋田行きの新幹線に乗り込んでこの日は秋田に泊まることに。
【カツ丼は美味しいね】
ちなみに、やまやは後で検索してみたら、俳優の山谷初男さんの生家だった。
なかなかいい味を出す俳優さんだよね。
【山谷初男さんの生家やまや】
【角館城を登る】
【さだまさし 案山子】
「案山子」は都会に出た息子を心配する故郷の父親の心情を歌い上げた名曲として人気が高い。
それはやはり、歌に出てくる故郷の風景が日本人の琴線に触れるからだろう。
城跡だとか、細い川だとか、造り酒屋だとか、煙を吐く列車だとか、田圃だとか。
だから、この歌を聴くといつも鄙びた小さな町の情景が脳裏に浮かんできて、舞台の町を角館とか米沢あたりの東北の小さな町なのではと勝手に想像していた。
ところが、検索して調べてみると、島根県の津和野だということが判明する。
なるほど、津和野だったらSLも走っているし雰囲気はぴったり合う。
日本海にも近いから、冬は雪が降ってもおかしくないし、町の規模もちょうどいい。
うんうん、そうだね、津和野いいね〜って、
違う!
さだまさしが何と言おうが、作者だろうが何だろうが、僕の中ではね、角館とか米沢とかあの辺の町を適当にブレンドして、頭の中で東北の小さな町を作り上げちゃったのよ。
それを今さら、津和野お〜?え〜っ!?
聞いてないよお〜!
あれ、僕の中ではね、東北から東京の大学に進学した息子に対する父親の歌ってしっかり出来上がっちゃってますから。
それが、津和野から広島に出たって歌だって?でも、津和野と広島って、
近いじゃん!
津和野と広島の距離で、アンタ、何を大げさに?ねえ〜?
というわけで、以上のデータをあらゆる角度から精査し、動機と背後関係、経緯等を考慮した結果、さだまさしの舞台設定は却下が妥当との結論に達し、「案山子」の舞台は角館を軸に東北の各小都市を適当にブレンドした架空の町という設定で話を進める。決定。
角館はみちのくの小京都と言われ、武家屋敷が今でも多く残っているので、風情のある観光地としてとても人気が高い。それはもう、老いも若きも男も女も酒と泪と男と女も、挙げ句の果てには中国人だっている。
しかし、武家屋敷が並ぶメインの通りにはたくさんの観光客がいるのに、角館城の城跡はほぼ無人。
城跡から見下ろす町並みの景色だって、なかなかのもんなのに、こちらは全く人気がない。
武家屋敷から5分ほど歩いたところに古城山公園入口という見逃しそうな小さな看板がある。城跡はそこから登って行くのだが、そこに「七色稲荷神社」という無人の神社があるので、そこで挨拶代わりに手を合わせてから登って行こうと神社でウロウロしていると地元の高校生がスタスタと追い越して登って行く。
【登り道すぐにある七色稲荷神社】
登り道に戻ると、高校生はずっと先に行ったらしく姿は見えない。
そのまま、登って行くと道は枯葉で埋まりカサカサと音を立てる。
道を登るにつれ、樹々の間から町並みがチラチラと見えてくる。
そのまま、どんどん登って行くと、町は遥か下方に小さくなっていく。
二、三度カーブを曲がって山頂に辿り着くと、町並みとその向こうの山々の裾に霧がかかっている幻想的な風景が広がっていた。
【角館城城跡からの眺望】
【動画】
僕を追い抜いて行った高校生の姿は見えず、昼間っから幽霊でも見たのかとゾッとしていたら、登って来た道とは別に細い登山道を後で見つけたので、多分、そこから下りて行ったのだろう。人騒がせなヤツめ。
久々に訪れた角館城城跡の山頂から町を見下ろせば懐かしい風景が広がる。
頭の中では「案山子」の歌が流れてきて、風景に彩りが与えられる。
うん、確かに造り酒屋は見当たらない、煙を吐く列車も見えない。
しかし、細い川(細くもないな)や田圃は見える。何よりここは城跡だ。
半分以上一致するから何の問題も無い。
うんうんと胸を撫で下ろして、誰もいない山頂でバシャバシャ写真を撮っていると、五十絡みの一人旅のおじさんがやって来て少し話をする。どうやら、歴史好きの人であちこち見て歩いているらしい。
おじさんは山頂の下にある四阿で写真を撮って山頂から元来た道を下りていった。再び一人になった僕は四阿まで下りて徘徊した後に細い山道を見つけたので、そこから下りて行くことにした。
【帰りの山道】
山道は所々丸太で補強してあったが、下手に足を滑らすととんでもない事態になるので、恐る恐る下りて行く。
【丸太が無いと滑りそう】
すると、登る前にお参りして来たお稲荷さんの脇を通って、元来た道に無事合流する。
城跡を後にして、再び武家屋敷の紅葉をゆっくり見ながら駅まで戻ると、昼食時を大幅に回っていたせいで空腹に襲われクラクラする。
とりあえず、新幹線の時間を確認すると余裕があるので食堂を探すことにするが、角館の名物が何だかよくわからなかったので、駅前にあったやまやという旅館兼食堂に入ってカツ丼を食べて腹を満たしてから、秋田行きの新幹線に乗り込んでこの日は秋田に泊まることに。
【カツ丼は美味しいね】
ちなみに、やまやは後で検索してみたら、俳優の山谷初男さんの生家だった。
なかなかいい味を出す俳優さんだよね。
【山谷初男さんの生家やまや】
【角館城を登る】
【さだまさし 案山子】
JUGEMテーマ:お城
- 2015.11.10 Tuesday
- 秋田を歩く
- 22:34
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- by ジョニー大倉山